◆◆◆世紀末ガンタマ日記◆◆◆
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12月1日(水)
体調不良
素行不良
視界不良。
そんなんじゃないんだが。
おいしいお蕎麦を食べていないから
ココロがすねてるだけなのよ。
神田のまつやさんへいって
あつたかーーーーい天ぷら蕎麦、たーーーべよ。
●
粋な江戸っ子気質はどうして生まれたのか?
そんな話を書き始める。
江戸は江戸時代から始まったに決まってるじゃないの!
そういうお方は江戸を知らないね。
江戸は江戸前からに決まってるのよ!
12月2日(木)
ホビージャパンの広告2回分書く。
今年のまとめと来年の希望について。
●
江戸の博物学者
平賀源内のことを考えているが
まだ躰が馴染まない。
●
ちょうど俳人一茶が江戸へ出てくる15才の頃
源内は獄死している。
●
オークションの方式として
匿名メール
フリーメールが
使用できないサイトが一般化して欲しい。
当然のことなのだが。
12月3日(金)
朝いちFAXが
函館地球堂の浜道君から。
「ホビージャパンの広告見ました。
また、やっちゃいましたね」
今月のコピーは反響が大きかったようだ。
●
おもちゃのこと、
例えば美学的なこと
(フォルムが美しいとか)
例えば歴史的なこと
(最近提案してるのがブルマァク社東京非標準説)
空想以外のマニアもライターもほとんどいわないのが
あいかわらず
つまんない。
タミヤ模型の関係ですこしかな。
●
僕のおもちゃ観は創発的すぎるかもしれないけど
マニアもライターもあまりにも
枝ばかり追いすぎている気がして
心から心配である。
この豊かなおもちゃの森は
市場原理優先の眼では
枯れてしまうからである。
どこかに職人の泉や
60年代マルサン商店タイプの
過剰品質の大樹も残しておかないと。
保護観察員も育たないと
ある日日本中の商店街のおもちゃ屋さんがサラ地になり
ある日日本中の家族経営のおもちゃ問屋がなくなり
ある日トイザラスしかおもちゃ屋さんがなくなり
ある日日本中のアンティックトーイショップから純正のおもちゃがなくなり
ある日日本中のアンティークトーイショップには復刻品の怪獣と復刻品の鉄人28号ばかりが並び
ある日おもちゃとは無関係の輩がおもちゃのことを語るだろう。
●
故郷を磁石に探る霞かな(平賀源内)
12月4日(土)
何が好きですか?
質問されてけっこう困りますね。
わけのわからないもの
おまけのように細かなもの
こう答えることが多いですね。
●
不気味なもの
こわいもの
これは生理的にうけつけないですね。
妖怪はダメ。
ホラーもダメ。
そんなことをいうと
B級大好きスプラッター大好き
お化け製造屋の米チャンから
ブーイングがくるけど。
怪獣はいいけどほんと妖怪はダメなんですよ。
●
東京タワーの下の学校に通っていたせいか
東京タワーが好きなんです。
お店のディスプレーに東京タワーの模型を使っていますが、
今年はこのタワーにサンタクロースの針金人形や
鉄人やウルトラマンをくっつけて
豆電球をつけています。
東京タワーのクリスマスツリーだ!
チカッ・チカッ★☆★☆
音楽は遊佐未森の「サイレント・ベルズ」を流しています。
チカッ・チカッ★☆★☆
●
今日夕方来店したご夫妻は
車で迷って大変だったとか。
奥様が鉱石が好きで
カウンターあたりに
水晶とか黄色い石とか並べているので
空想雑貨を驚いていただけたようだ。
旦那様には僕の本
ガンタマを買っていただいた。
12月5日(日)
イタリアサッカーセリエA
ペルージャ対首位ラッイオ戦ライブ観戦のため
朝四時おき。
●
今朝も中田はライオンだった。
●
昨日うちのお客さんから
外人の接待に浅草の牛鍋(すき焼きのこと)「米久」を使いたいけど
いかがなものか
と聞かれた。
僕は接待にも個人でも「米久」を利用するよ
と返事をした。
ネダンも安いし、昔風の店の作りがいい。
浅草らしいお店というのは味でも店の雰囲気でも
もう少ない。
僕は接待には米久か根岸の洋食カミヤかな。
12月6日(月)
制限を加えること。
ブレーキのない車ってないでしょ?
速く走るためには優秀なブレーキが必要である。
たぶんなにかの暗喩なのだろう。
●
朝、
免許の更新に行って来た。
郵便局から買い取りの送金。
メルマガでゲーテの色彩論が絶賛されていたので
出版元の編集長にお知らせメール。
いい仕事は評価されなくっちゃね。
(11月のガンタマ日記でもふれました。)
今日の朝はいろいろ忙しかったのだ。
●
物事を
単語ではなくて
文章もしくは文節で理解しようとすること。
或いはその試み。
骨董の場合もあてはまる。
12月7日(火)
風味
一。食べ物の味わい
二。趣、風情。flavor
(日本語大辞典より)
「ミ」のつく言葉には格別の味がある。
意味。
試み。
見立て。
●
風味がなくネダンだけの骨董品。
●
故谷岡ヤスジさんの奥様からTEL。
増刷決定したそうだ。
ヨカッタデス。
さすが「天才の証明」!
★本についてはこちらをご覧下さい!
●
今年のお歳暮は
谷岡さんに送ることができないことに
気がついた。
悲しみは忘れた頃にやってくる。
●
僕の親父はノウハウで生きてきた男だった。
自分で作るよりも適材適所の人間に担当させ
それを対角線のように組み合わせ
ビジネスにしていた。
僕もだいぶ似てきた。
今日は僕の誕生日。
アナウンサーの古舘一郎さんも誕生日。
同い年の同じ日生まれ。
今朝のクリック数はちょうど100だった。
●
子供たちが生来の美術家であるという最高の理由によって
日本の1960年代に怪獣玩具の美は発見されたのである。
12月8日(水)
ネットオークションのイーベイが不動産を売るようだ。
話題作りと法人アタックということか。
●
たまっていたサッカーのビデオをまとめてみる
●
夢をなくしちゃいけないから
日曜日に来てくれたアンティックやさんがいっていた。
●
寒さのせいもあるけれど
出不精になってきた。
●
(紅葉の)落ち葉をゴミだと考える人がいるらしい。
利休があまりにもキレイに庭を掃除する倅を見て
もういちど落ち葉を庭に散らした
というエピソードを思い出した。
12月9日(木)
アマゾンライダーのお面が出てきたので
パソコンルームに貼っておいた。
昔から僕はお面が好きで
お風呂場にも飾っていたことがある。
とくにアマゾンライダーのサイケな奴は好きだ。
●
新しいことに挑戦していくのは
大変だけど
楽しい。
●
江戸時代のことを
あれやこれやさかのぼって空想していると
江戸の宵にまぎれて
自分が浅草あたりを
歩いている気分になってくる。
見上げる星空は一緒だ。
●
1966年製の水着人形が売れた。
ソフトビニール製である。
ブラジャーもね。
12月10日(金)
なんとも説明の付かない不思議なおもちゃ?を
友人が開発している。
仲間に入れても〜ら〜お!
●
CGIの技術者なら
インターネットで人材募集かけたら?
この友人からヒントをもらった。
ただし責任感ある奴は少ないそうだ。
●
もう一人のK氏と朝電話。
友人は森と呼び
僕は山と呼ぶ。
だけど同じことについて話している。
二人は分かり合って話している。
●
昨日の夜
伊賀氏にビジネスモデルのアイデアを話す。
彼にはアイデアの証人になってもらった。
●
ウルトラの脚本家キングジョーこと
金城哲夫のファンから
ガチャポンとコジラ映画のチケットをいただいた。
おまけにホーとノイズラーとグランドキングを
買っていただいた。
●
絵本画家、イラストレーターの
たむらしげるさんとメールでやりとりしていたら
カミヤ君はインターネットをやるようになってから
いきいきしてきた
といわれた。
うれしい×2だなぁ〜
●
ミラーマン派のお客さんから
HPのグッドアイデアをいただいた。
空想はもらいものばかりである。
12月11日(土)
おいしい信州リンゴをいただいた。
あったかい贈り物ありがとうございます。
●
異業種間ミーティングは
自分の問題点がクリアになる。
さてと。
●
もんじゃ君の原稿を受け取る。
確実にステップアップしてる。
●
メールをたくさんいただいている。
空想のページを見て
少しだけでもあったかい気持ちになってもらえたら
それでいい。
12月12日(日)
今月の空想の広告を見て
また一人やって来てくれた。
久しぶりにゆっくり話し込んだ。
お土産をいただいた上に
ザラブ星人まで買ってもらった。
●
ザラブ星人も正面から見てると分かりづらいが
横から見ると手がグローブのようになっていて
イカシテル。
正面からばかり見てちゃいかんねえ。
反省!
●
先週は同業さんがやって来てくれて
復刻品?について
話してあった。
業者同士の話はなかなか深いモノがある。
12月13日(月)
茶を飲みながら
母親と久しぶりに親父の話をした。
親父と傾向がますます似てくる。
●
浅草銘菓のネーミング。
まつち山
すみだ堤
梅若の里
●
夢を前進するために
夢に名前をつけることを
友人から教わる。
名前を考えただけで
実現したような気になる。
●
サソギラス予約
12月14日(火)
骨董屋は「●●」と「○○」を自覚していなければならない。
●
ビジネスというのは
子供の秘密結社ごっこに相当するのかも知れない。
●
好きな蕎麦屋「角萬」(三ノ輪・竜泉寺)
の「ひやにく」について書いた。
●
蝙蝠もいでよ浮世の華に鳥(芭蕉)
12月15日(水)
おもちゃ業界雑誌?から
HP紹介の問い合わせ
●
昨日は蔵前の三和銀行からの帰りに
藪で天ぷら蕎麦
(ここの天ぷらはまん丸の形。和菓子のようで食べるのが惜しくなる。)
仲見世をとおり
浅草神社に寄ってみた。
浅草の開祖・土師直中知(はじのあたいなかとも)に
未来を祈念する。
●
妹が血圧で緊急入院。
ビックリ!(大丈夫のようだけど)
●
加盟してる電子商店街Smashの
クリスマスセールが終わった空きスペースに
月光仮面のお面の写真を入れた。
トップページに雰囲気商品写真はキリキリシャンですな。
12月16日(木)
(真水氏からの手紙)
空想雑貨はやっぱり楽しいね。
神谷さんと話していると
「ソフビ集めてて本当に良かったなァ」
って思います。
とくに今みたいな、フィギアだ復刻だ限定だ、って状況になってると、
空想雑貨そのものが、
愛あるコレクターにとって一番の必須アイテムではないか、と思います。
「ありがたみ」を痛感しています。
そういえば、「ありがたみ」も「み」のつく言葉だな(笑)。
〜ザラブ星人を横向きに飾っている男より〜
●
So-netのA氏と銀座で会う。
12月17日(金)
美術家・岡倉天心のことを考える。
●
一日中軽い頭痛。
頭の中に雲が浮かんでいる。
12月18日(土)
美しく勝利せよ
(20世紀最高のサッカー選手で最高の監督ヨハン・クライフ)
●
サッカー小僧の僕としては生まれ変わったら
クライフ監督の元で超攻撃サッカーをしてみたいな。
●
クライフにとって
戦術とは洞察力のことだった。
●
新宿の有名書店で「美しく勝利せよ」(クライフ著・二見書房)を買ったのだけど
検索コンピューターの前で十分ぐらい待たされた。
店に入荷していても、どの書棚にあるのか分からなかったのだ。
いいかげんな本を出しすぎる出版社も問題だが
本を知らなすぎる書店員も問題だ。
前に紀伊国屋でも同じことがあったし、三省堂でもそうだったし。
12月19日(日)
年賀状仕上がる。
●
店のカウンターで
お客さんの大ゴジラのプラモデル(完成品。以下同様)と
僕のゴジラのプラモデルを闘わせようとしたら
僕のゴジラは八年ぶりぐらいで動かすので
うんともすんとも動かなかった。
しょうがないのでギララと闘わせようと思って
ガラスケースから出してきたら
これまたモーターがギィギィいってるだけで
動かない。
大魔神ならどうだと思って
今年の正月は動いていたやつのスイッチを入れたが
さてどうしたものか少しも動かない。
バラゴンを連れてきて動かしたけど
なにやら今日はしおしおのぱー。
うちの電動怪獣たちは機嫌が悪かった。
●
ミニのネロンガとチャンドラーが売れた。
12月20日(月)
忙しい日だった。
●
発送
●
メール
●
整理
●
まだ年賀状に取りかかれない。
●
それでも私よりスタミナのあるプレーヤーは大勢いるし、
テクニックにおいても優れているプレーヤーはいた。
しかし、真に重要なのは戦術だ。
たいがいのプレーヤーに欠けているのは戦術なんだ。
戦術とは、洞察力と信頼と勇気だ。
(20世紀最高のサッカー選手:ヨハン・クライフ)
12月21日(火)
原宿キディランドの
クリスマスセールをチェックしなかった。
●
飯田橋の運河カフェで
小春日和のポカポカをみながら
平賀源内の夢と
戯れたいと思ったが
次の機会にする。
●
秋葉原ラオックス・デジタル館でラベルを購入。
●
よいお年をという挨拶がひんぱんになってきた。
●
休みの日でも店に顔を出すが
誰もいない
純粋におもちゃと僕だけの世界は貴重である。
十年やって来たが
なんだかんだいっても
空想はモノがあるなと思う。
この空気
この雰囲気を大切に守っていきたい。
12月22日(水)
〜昭和42年のクリスマスの街角が浮かんでくるようです。〜
ウルトラセブンの8ミリを買っていただいたお客さんからメールが届いた。
●
クリスマスプレゼント用商品の梱包と発送。
●
夕方からB社で会議。
社長とは初対面。
広告写真よりもずっと美しい。
●
その後某出版社へ挨拶。
いつものようにコーヒー会議。
●
メールチェック
12月23日(木)
オークションでいつでもつながるように!
ISDNにしたお客さんがいる!!
通常のダイアル接続だと
オークションの締め切り時間直前に
混雑して接続できず
買い逃すことがあるらしい。
●
商品構成に悩みぬき
すこしずつ商品コピー書く。
12月24日(金)
銀座ピエス・モンテのチョコレートケーキ(\3000)
ちょうど最後の品だったらしい。
とてもさっぱりしたチョコレートケーキだ。
●
ぶるぶるペギラ売れる。
首なが怪物君即売れ。
●
商品コピー20点なんとかなりそう。
ドタバタドタバタ。
インターネットマガジンもネットナビも読むひまがない。
●
夜はデジカメで撮影だなあ〜〜〜!
12月25日(土)
デジカメで撮った画像をフォトショップで加工。
CD-Rにして郵送した。
●
未完成に終わっている僕のある物語の最初の言葉。
〜〜世界は謎をとかれるために待っている〜〜
●
ネットで予約してくれたお客さんが
直接店に来てくれた。
対面販売の方が楽だね。
梱包して発送しなくていいし、
小さな写真じゃなくて
実際の状態も確認してもらえるし。
僕も話せるし。
12月26日(日)
店のシャッターを下ろすときに
この世紀もあと一週間もないんだなあ
という気が起こった。
夏だと
シャッターを開ける前に
熱気が伝わって
入道雲のはりだした気配が分かる。
●
ウルトラセブンの文房具が売れた。
12月27日(月)
1999年の空想雑貨は今日でおしまい。
●
スプートニク氏来店。
また寄って下さい。
ウルトラセブン。
小林健二。
オークション。
彼は伝説のサロン
秋葉原デルタミラージュに
一夏移動した
空想雑貨へ来てくれていた。
●
夕方
丁稚一号のフルちゃんが来てくれた。
バットマングッズに埋もれているそうだ。
売る気はないそうだ。
●
日記はまだまだ続きます。
ご安心下さい。
12月28日(火)
メールを出したつもりが
もう一つのノートパソコン宛に出してしまっていて
あわてる。
最近この手が多い。注意。
●
今日店のほうへ顔を出したら
横浜から雑貨少年と少女が来てくれた。
もうお休みだが、
とうぜん店を開ける。
コレは特別。
もうお休みですから。
●
買い取りの話が来て
とりあえず連絡する。
年末はこのての事が連発する。
●
大晦日ぐらいにちょうど20000カウントしそうだ。
15000からはあっという間だった気がする。
めでたい。
●
大掃除をしていたら
超合金が出てきた。
ロボットジュニアだった。
(マジンガーZのやつだったと思ったけど)
●
今日こそ年賀状に取りかかろう。
12月29日(水)
住所録を印刷したまではいいが
そのあと上書きしてパーにしてしまった。
アジャパー
●
シュレッダーを買おうとしてちゅうちょした。
●
年末最後のボンヘッド!
いのうえさんスイマセン!
商品送り間違えました!
明日すぐ送りまーす!
●
この世紀が残り二日だなんて
信じられない。
12月30日(木)
江戸時代、
古道具屋のことを
取売(トリウリ)といったそうだ。
●
シュレッダーを買ってきて片っ端から放り込む。
しかし散らかしたのは私だった。
●
2000年ということで2万クリックと洒落たわけではないが
20000カウントを数えた。
どうもありがとーう!
12月31日(金)
昨日の夜
書道家・建築家のモンマ君と作戦会議。
空想雑貨の新商品開発について。
月1で来年から進める。
●
ふと気づくと
歩道から一段低くなったところに
電気屋さんの明かりが見え
木造の戸の透き間から
プラモデルの箱がのぞいていたので
中に入ってみた。
工事用具や電気製品の脇の棚に
確かにイマイのマークのプラモデルが並んでいて
電人アローの舟?という見たこともないものまで飾ってあった。
何秒ぐらいガラスケースを見ていただろうか。
幸せな瞬間だった。
意を決して「これ下さい」というと
お店のおじさんが
「まだ、いっぱいあるからね」と返事をしてくれた。
そこでああこれは夢なのだということを僕は悟った。
1999年12月30日に見た二十世紀最後の夢だった。