◆◆◆世紀末ガンタマ日記◆◆◆

過去の日記
10月 11月 12月 1月 2月 3月

4月1日(木)
四月になった。
春。
こんにちは。

季節は目に見えないけど
こんにちは。
目に見えないもの。
夢、情熱、過程。
目に見えるものよりも
大切なもの。
恋すること。
目に見えるいちばんつまらないもの。
それは重さと値段。

まだ春は目に見えないけど
こんにちは。

朝一できた女性客に
店頭用のペコちゃんを売らなかった。
お店の前にある子供と同じくらいの大きさの大きい奴です。
その理由は以下よりチョイス。
■値段があわなかった
■もっと高く売りたいのでとりあえず売らなかった
■一見客にはいいものはださないという営業方針があるので
■他にほしがっている客がいた
■売ってしまうと次の入荷が見込めないので止した
■話している内に新しい店頭用ペコちゃんも持っていないレベルだと分かったので
■熱くなりすぎていると感じたので
■たぶん購入したら二度と来店しないと判断したので 
■他の店にもよく行っているようなので
■空想に足繁く通ってくれたことがなかったので
■ペコちゃんを集めているので売るのがイヤ
■ペコちゃんが好きなので嫁入り先には特に注意しているので
■現時点ではよそのお店にないのでもう少し様子見なので
■ひやかしだと思ったので
■たんに流行をコレクトしていると感じたため
■他のペコちゃんものまで集めるお金がなさそうに感じたので
■これ以上コレクターとして伸びないだろうと直観したため
■精神的余裕が感じられなかったため
■情熱不足
■骨董全般における注意の説明を聞く耳を持っていなかったため
■値段だけをしつこく聞かれたので

結局いまの時点では売らなかったので
売り上げとしてはゼロ。
空想は売り上げはとても誉められたものではないけれど
こういうお断りが多い。
たぶん嫌な店に思われるだろうけど。
これが僕の交渉条件でもある。
空想の貿易ルール。

悲しいことに職業的骨董屋的直観ははずれたことがないし、
何年か先に悲嘆に変わるケースが多々。
ものが不幸になるばかりか
コレクターの運命にも影をさす。
コレクターにはコレクターをやめる日まで認識できないだろう。
鑑定家ははすっぱな可視部分しか興味がないから
鑑定家と名乗れるのだろうけど
空想雑貨主人にはそれが分かりすぎるから
ためらう。
これとは反対にものがうれしがっているように感じるときがある。
そんなとき引き合わせた僕はとてもうれしい。

サラリーマン金太郎をつかった広告が
朝刊一面に出ていた。
みんなが金太郎に期待する理由も分かる気がする。
よしよし。
今月は編集者を連れて
金太郎詣でに足柄山へ行こう。

4月2日(金)
午前四時。
風の通りすぎる音で目が覚めた。
カラスの声。
ようやく早起きできた。

「時間がゆっくり流れていますね」
店に遊びに来てくれた日経の森井君にいわれる。

雑誌「ユリイカ」の原稿無事終了。(4/1)
メールで送ったので確認の電話を入れた。

CGアーチストの石丸さんに
空想へ遊びに来てね
とメール出す。

4月3日(土)
いかにも春。

橋本雅邦の「心持ち」。
(日本美術院、画家、1835〜1908)
単に秋の風景を描くのでなく
画題を「秋思」として
人物や草花にその思いを託すといった具合
(近代日本美術の軌跡〜日本美術院創立百周年記念特別展〜
/東京国立博物館)

菱田春草の「黒き猫」。(日本美術院、画家、1874〜1911)
浅草の今日は春草の黒猫のような光の一日かな。

エリナ・ファージョンを思い出す。
(1881〜1965/リンゴ畑のマーティン・ピピン・岩波書店)
彼女は僕の乳母。
僕は彼女の子守歌によって育てられた。
Not the rose, but the scent of the rose,
Not the sky, but the light in the sky,
Not the fly, but the gleam of the fly,
Not the sea, but the sound of the sea,
Not myself, but what makes me

今日はどんな旅人がやってくるのだろう?

4月4日(日)
来店客。
GTR男。
ブリキGodzira男。
イラスト郵便男。
僕はさしずめブリキ小物袋詰め内職男。

4月5日(月)
銀座リクルートでたむらさんの展示会。
初日のパーティに親友の伊賀君と出席する。
ギャラリーにi Macが三台おいてあった。
伊賀君はしっかりたむらさんにサインをしてもらっていた。
帰り彼の部下のたむらファンと三人で
検索エンジン攻略の話し。

4月6日(火)
たむらさんのパーティのあと伊賀君と話していて
帰ってきたら
なんだかんだで十二時近かった。
寝ようとしていたら
世界ユース選手権を
ライブでやっていたので応援したら
カメルーンに逆転負け。
悔しくて一時間ほど寝付けなかった。
結局三時頃寝た。
昼近くに起きたけど
睡眠不足とパソコン疲労のせいか
肩が痛くて眠い。

1時に北海道の浜道君が来店。
食事をして珈琲を飲んで
また店に戻ってきて
7時まで
彼のオープンする古物屋「地球堂」の話をメインに聞いていた。

開運!なんでも鑑定団
99春のお宝スペシャル
伝説のひばり御殿お宝ガサ入れで初の公開
秘蔵品発見&
スタジオ騒然の超高値ほか
テレビ東京
7:55〜9:54放送。

◆アンティックショップの老舗◆

「パニポート」閉店


故坂本侑司氏が開いた湯島天神上のパニポートは
ブリキロボットの天国だった。
奥のほうで修理をしていた坂本さんの姿を思い出す。
今でもこの最初のパニポートの前の道を通る度に。
(現在のパニーは御茶の水よりの場所にある)
TEL:03-3813-1269
文京区湯島1−9−13(〜4/20)


「骨董魔術論」04ニュートリノの鑑定
にもはっきり書いたが
ここでもきっぱり断言しておいた方がいいだろう。
業界もマニアもマスコミも
北原照久よりも
坂本侑司を選ぶべきであったと。
古伊万里と明治の金彩のブリキ玩具を
同等に見立てることのできるシャイで頑固な男を
もっと前面に押し出すべきであったと。

一つの時代が確実に終わった。



4月7日(水)
散歩しながら、
千鳥が淵まで花見に行きましょう。
JUNちゃんに朝いわれた。

あまりに外が春っぽいので
世界が変わる予感がしていたら
すてきなメールが届いていた。

4月8日(木)
空白の一日。
春。

4月9日(金)
熟睡できた。
なぜだろう。
すんでの所で頭がオーバフローしないで済んだ。

学習法の学習
理解の遅延
眼の遅延

つきあいが
五年未満は知人
十年たてば友達
二十年ならば親友。

無対称

怪獣玩具が
おもちゃの朦朧体である
ということを
僕が世界ではじめて発見したことを
ここに明記する。

成長する模型
つまり僕にとっての本。

昔の広告を整理する。

4月10日(土)
筑波大の小川先生とやっとコンタクト。
面白くなる。

ホリイちゃん、モンマ君とうちでめし。
てづくりげんこつメンチが夕食。

メールの整理。

テラにTEL。
本人はマネージャーの能力があることを
まだよく分かっていない。

むかし買い取った人から
突然ポンパくん人形
(日立の企業マスコット人形)が送られてきて
ビックリする。

4月11日(日)
マルサン商店製の怪獣プラモのマニアが
相次いで二人来た。
値段の高騰と
復刻品商売への露骨な嫌悪感。
偽物商売に味を占めて
本物がいいといえるプロは
数えるばかりになってしまった。

金勘定ばかりする奴が
趣味の世界ででかい面をするようになったら
もう終わりなんだぜ。

天文を考へ顔の蛙かな

4月12日(月)
「郷愁」とは
いうにいわれぬ感情の氾濫なのかも知れない。

朝11時少し前に店に降りてきて
(住まいが店の二階なので)
ガスファンヒーターのスイッチを入れ、
シャッターを開け
看板をたて
店頭用のカンガルー人形(薬局用)を
店先に並べる。
ガラスケースに灯りをいれ
ラジオときにCDを流す。
留守電を解除して
東京タワーで買った回転式カレンダーをあわせて
カウンターの中の席に着く。
空想の朝が始まる。

都知事決まる。
依然としてユーゴ空爆、空爆、空爆。

さぁ今日は玩具叢書昭和編のどこを話題にしようか?
ゼンマイのように記憶を整理して
ブリキのようにピッカピカの楽しみを準備しておこう。
おもちゃの国を訪れる新しい旅人のために。

4月13日(火)
世紀末の春は活動が活発だ。
建築家のモンマ君の書展に始まり
キントト文庫のお茶の水神保町進出、
北海道の暴れん坊浜道君の古物屋・地球堂開店。
親友小林健二も五月に展示会と鉱石ラジオのワークショップを開く。
空想は秘密倶楽部でも営業しようかな。
気がむいたら突然パーティをするのだ。
もしかしたら、
この文章を読んでいるあなたにも
突然メールが行くかも知れないよ。

可能な限り迅速な方法で、
自分の勘定書の支払いをすべてすませることが
不可欠だと私は考える。
どんなシステムであっても、
私は「ゲームに参加する」ことに
自分を委ねている。
なぜなら私は政治的な革命家ではない。
私はデザインサイエンス革命家なのである。
(バックミンスター・フラー:「クリティカル・パスより」)

夜九時過ぎから秋葉原まで
夜のお散歩
ちょうど一万歩。

メール着信お知らせ装置をつけた。
あーすっきり。
メール待ちぼうけいらいらクリック症が撲滅された!

4月14日(水)
苦悩氏からFAXをもらった。
エレキ中学一年生とサインしてあった。
苦悩氏は元政治少年。
僕の高校の一年先輩で
こけしコレクターとして
ある日ひょっこり店を訪れた。
現在は本屋の店長さん。

キントト文庫との話。
神保町の大衆天ぷらや「いもや」の前に
キントトは新店舗をオープンする。
そこでキャッチフレーズだが、
「天ぷら食べたら本買おう」
に決まった。
老舗パチンコ屋「人生劇場」のすぐ裏でもあるので
「パチンコしたら本買おう」。
これも使えるね、
と大笑いになった。

お茶の水は僕の心の故郷だ。
小学校五年生の昔から
ずっと通っている。
今でも月に四五回は行く。
そんなところに
友達の古本屋ができるなんて
人生も捨てたもんじゃない。

道楽とか風流といった流れで
しみじみ
おもちゃの素晴らしさについて
話していたい。

書家モンマ君の個展をのぞく。
書家は書体しかいえないだろう。
書から音が聞こえるようでなくては
いい書とはいえない。

ブライアン・イーノの夕暮れ
裏原宿のオープンCAFE
PM5:50
空は四月の青

リブロ青山店に僕の本が二冊並んでいた。
いい本屋だ。

4月15日(木)
自慢じゃないが
僕のいいところは
ペチャンコにされてもへこたれないぞ
ということにある。
検索エンジンへの再チャレンジを進める。
とりあえず
おもちゃでサーチすると
多い方はinfoNavigaterで約五万五千件。
少なくてもNETPLAZAで約六百五十件もある。
つまりまともに「おもちゃ」で調べても
空想のページへたどりつく人は少ない。
ろくな情報がないのはご存じの通り。

gooでは昨日おもちゃでなんと三位であった。
すぐ落ちちゃったけど?

いろいろ試してみる。
おもちゃで上位へランキングしてみようかな。

夜は客人が来る。
元気のいい話を聞こうかな。

上信越支部長の塩谷君が来た。
名古屋からの帰りということで
伊勢の赤福(あんこ餅)をお土産に持ってきてくれた。
うちで夕飯を食べ
ずいぶんたくさん商品も買ってくれて
あとでマッハGOGOGO!のヘルメットも送ってくれるという。
なんどかおもちゃ探しに一緒に出かけたことがある。
僕のスクーター・ラビットが彼のところで復活したりした。
変わらない仲間がいる。

4月16日(金)
「今の将棋ファンより
幸せだった。
多様性があった。
今は技術面が豊かではない。」
昔からの将棋友達が
最近よく口にする言葉。
当然のことながら
彼も僕も将棋は文化だと考えている。

たぶん人間力が劣化していると
現在を最高の技術力と
おごってしまう。
技術は外面の装いで誤魔化しやすいけど
人間力ばかりはだませない。
採算無視。
過剰品質。
そんな属性の
いい男は少なくなったよ。
いい女に頑張ってもらおう。

老子のような夢そのもののコレクター。
なにも持たないことが
宇宙全体を所持品(OS)とすることに
気がついている
コレクター。
明日が昨日と繋がっていることを直観する
星のコレクター。

ドアを開けて
郵便屋さんが書留を持ってきてくれた。

4月17日(土)
出張紅茶屋の熊崎君が
待望の「世紀末カフェ」を開く。
「神谷さんに喜んでもらえるような店を作りました」
とはウレシイ。
開店前に特別に招待してくれるそうだ。

空想秘密倶楽部にて。
書家のモンマ君のパーティ。
ワイワイガヤガヤ。
サイケデリックな春爛漫。

有名とか数量に頼るシステムは
もう終わりにしなけりゃあね。
唯一の可能性が
本の中だけにあるというのも
ごめんだね。
浜道君の地球堂や
神保町のキントト文庫や
世紀末カフェや
もちろん空想雑貨も
ふふふ
不思議なお店には
どこかに羽のはえたスイッチがあるんだろうよ。

パソコン師匠の小西君から留守電が入っていた。
「高遠(信州)の花見に出かけていて
パーティのこと忘れていました!」
だってさ。
ま、風流なこと。
ギボン!

4月18日(日)
鉄人28号の顔マスクの値段を聞かれる。

昨日友達に三十年前のあけていない
カルピスの瓶を自慢した。
中身も入っているんだぜ。

三輪山をしかも隠すか春霞
人に知られぬ花や咲くらむ
(古今和歌集/春の歌として詠む/紀貫之)

二時くらいから雨が降ってきた。

4月19日(月)
中田ペルージャと小野U-21を見ていたので
眠いけど心地よい。
サッカーもまた
見えない動きが大切なスポーツだ。
ボールを持っていないときの動きが肝心なのだ。

ファィアーマンのシールのことを電話で話す。

筑波大の小川先生に電話

検索エンジン攻略作業

結局S嬢の立体怪獣写真の企画はボツったようだ。

4月20日(火)
酔っぱらいの
堀井ちゃんからもらったチーズとワインを飲んだせいで
夜中の二時半に目が覚める。

たぶん東大赤門の側のギャラリーで開かれている
若木さんの個展に顔を出す。

八ヶ岳の伊東近代美術館にもそろそろ行かないといけないな。
世紀末の春なんだから
僕ももうひとつネジを巻かないといけない。

静岡のプラモショーへのお誘いがあった。
ご夫婦でということなので
ありがたくご接待に預かろうと思う。

アンティック業界全体が
復刻不況の嵐の中で
売り急いでいるのはわかるが
空想まで売りに走るわけには意地でも行かない。
ものの獲得のみに終始し自己完結する貧しさよりも
暇な骨董屋の「見立ての贅沢」を選択する。

あたたかな一日。
ギャラリーぐれいで若木さんのオブジェ展をみて
東大赤門前の古本屋をのぞく。
買った本六冊。
隅田川の今昔
新編武蔵風土記稿別巻・総説編
史跡でつづる東京の歴史
松葉町史
台東区の神社と祭り
江戸城とその付近
久しぶりに「浅草関連本」を入手。
僕のおもちゃ学の背景には
浅草と江戸の研究がある。
しかもとびっきりの特級品だ。
「玩具風流縁起」にも少し書いたけど
そのうちもっと腰を抜かすだろう。

雑誌「ユリイカ」5月号の特集タイトルは
「モンスターズ」となった。
FAXが届いていた。

「形の文化会」大会のプログラムもFAXで届いていた。
慶応大学の三田学舎で週末開催される。

4月21日(水)
見立ての贅沢
ということに象徴されている
颯爽の風。
梅花一宇

心がけ。

見立ての贅沢

骨董の絶景は
颯爽の風が吹いていないといけない。

去年の今頃は
「骨董魔術論」の装丁で頭を悩ましていたような気がする。
この一年でさらに
玩具民俗学の方向も示唆したし
(玩具風流縁起)
からくりの研究も始めたので
(ちかぢか出るユリイカに発表)
骨董魔術論からさらに
高みに上れたと思う。
研究者のまったくいない新ジャンル。
おもちゃ関係者やマニアはあいかわらず
ほとんどついて来られそうにない。

朝、目が覚めたら
「絶望」が単純であることを発見した。
つまり理解者が少ないか
または売り上げが少ないか
ということに比例する。
反対に「希望」は複雑で
たいがい欲張りである。

4月22日(木)
日本ユース決勝進出!

一日でなれるおもちゃ鑑定士養成講座

ホームページ上に新設した。
十項目の質問に答えると
マスターになれるという方式。
いかがなもんだろうか。

シンプルで深遠

今晩「からくり」の件で
筑波大の小川先生にお会いする。
「日本の科学のもう一つの性格:凝り方」という観点から
とりあげている先生だ。
他分野のスペシャリストと歓談できるのは
とてもうれしいし楽しい。
さて、なんのおもちゃを持って
おじゃましようかな。

4月23日(金)
朝、荷が届いた。
ダンボール箱を開ける瞬間のうれしさ。
未知のものを見るよろこび。

雑誌ユリイカ(青土社)が届いた。
僕の文章をご一読願いたい。
最新の研究成果を取り入れている。
からくり

朦朧体。

「百発百中ではない方向」
「アンバランスのバランス」
小川先生とのお話でのキーワード。

「お宝鑑定はどういう結果を生みますか」
先生から質問された。
拝金主義に傾くこと。
早い者勝ちという風潮を加速すること。
僕はこんなふうに返事をしたのだが、
合格点をいただけただろうか。

からくりはもちろん好きだが
コレクションしたい訳じゃない。
「弓射り童子」の思想はもっと好きだ。

九鬼周造はこういっている。
まず、全身に関しては、
姿勢を軽く崩すことが
「いき」の表現である。
(いきの構造)

4月24日(土)
雨。

頭の中に憂鬱の雨が降っているよう。

浅間ミーティングクラブ
(日本一のアマチュアのオートバイ愛好家のクラブ)
のホームページにアクセスする。

ウインダム(ウルトラセブンのカプセル怪獣)
の絵のついたおもちゃ腕時計が売れた。
針は自分で回すのだ。

日本ユース爆沈!
負けるときはこんなものだ。

検索エンジンinforseekで
浅草という項目をサーチすると
二万件中
空想が第2位にランキングされた。
どうやら検索エンジン攻略作戦の成果が
でてきたようだ。
ふふふっ。

僕の友人たちでも
エッシャーのだまし絵や
デュシャンのオブジェを好きな人は多いが、
理が勝ちすぎてどうも好きになれない。
どこか余裕がないと
いい絵だとは思えないのだが。
ある友人からメールが来ていて
のんびりとした文章がよい
そんなふうに「骨董魔術論」の感想が記してあった。

4月25日(日)
ニューヨークのはがね嬢からメールが届いた。
とてもすがすがしいメールで
自分流の観察術をもっていた。
彼女はたしか19才で
たぶん宇宙の魔法に気づいていて
誰よりもキタローのファンだ。

生活以上のことを考えている
いいおとなは絶滅しちゃってるからねぇ。
世界の謎を解いて下さい、はがねちゃん。

キカイダーのティッシュがまだあるよ
来店したお客さんが教えてくれた。

4月26日(月)
梅が香やどなたが来ても欠茶碗(一茶)

かの一茶は浅草の川向こう本所に住んだことがあるが
江戸時代の俳人の中で
なんと一番多く隅田川を詠んでいる。
本句は生活の貧しさをうたった句とされているが、
欠けたものにも美が宿り
美が香り立つことを盛った句のように思うのだが。
「貧者の宝」という本が
青い鳥の作者メーテルリンクにもあった。
美は貧しき者にも平等に香る欠茶碗かな。

青空の前の雨。
雨と青空が交互にやってきた。

4月27日(火)
秋葉原のTゾーンで
インターネットアスキーとプリンターのインクを買う。

天気とは裏腹に気持ちが急に失速する。
書泉で自分の出ている文化雑誌を買おうとしたが
やめる。

仕入れに出かけようとしたが
自分の美学に反するので
やめた。
たぶんこれが原因で花曇りなのだ。
ときどき研究に専念したくなる。

フィギュアは「不意義屋」と書く。
オタクは「汚濁」と読む。

若い女性がペコちゃんの人形を持って
買い取って欲しいと
あなたのところへやって来た。
チェックポイントを3カ所あげて欲しい。
(「一日でなれる おもちゃ鑑定士養成講座」のつづき)

4月28日(水)
休みの日は三分の一が
通販の梱包だ。
パッキンしてダンボール箱にいれ
メモをはさんで
ガムテープでふたをして
できあがったら
クロネコに電話して完了。

僕の十年間やって来たことは
ある分野における
情報発信と情報の変質
ということの
いい実験データーを提供している
と考えられる。

まるで老子が孔子を
出来の悪い生徒を見るようなまなざしで
同情するように
「今頃わかったのかい?」

うながしているようだ。

日本人、全体に「自信喪失」
朝日新聞朝刊の大見出し。

僕が有効なカードをきっても
またおもちゃの世界と同じことになってしまうのだろう。
しかし。

天上の蛇を真似たり長良川

「連鎖的発見」
今日開いたバックミンスター・フラーの本
「クリティカル・パス」で見つけた
総合的戦略のためのキーワード。

理解の遅延には
誤解の曲率
という要素も入れなければいけないのだろう。

外はどうしようもなく晴れている。

怪獣トントンゲーム
10円売30枚
(裏の解説)
ガンバレガンバレ
負けるなかいじゅう
切りぬき線にそって
きれいに取りはずして下さい。
組立はかんたんに
出来ます。
(紙製玩具。
紙で作ったおすもうさんを机の上で
トントンたたいて戦わせて遊んだことあるでしょう)

西日本リビング新聞社(福岡)から
リンクのお誘い。
ベテランの怪獣コレクターから
鑑定士講座などの解答。
こういったメールが届いて
気分が回復する。

検索エンジンinfoNaviで
おもちゃの項目を調べたら
空想がランキング二位だった。
よしよし!

4月29日(木)
鳩の鳴き声で目が覚める。

朝から発送の梱包であわてる。

お店へ来た常連の古伊万里ビスク楽器屋さんと
からくりのビデオを見る。
不思議な眼力のある人で
彼の買い物は
通常より腕の長いバルタン星人や
左右同じ手のついたガボラ
というものなのだ。

ゴールデンウィークに突入したせいか
電話が多い日だ。

神戸のモンスター製造家
米田氏から電話。
今回の上京では運悪く会えなかった。
新宿のアミューズメントパークに巣くっていたらしい。
僕のエッセーをしっかり読んでいてくれた。
巨大恐竜、巨大妖怪、巨大モンスターを
切断し縫い合わし造らせ
なめるように語らせたら
彼以上の怪人物は
ブラッドベリの本の中でも
お目にかかれない。

出し惜しみしたらいけませんぜぇ
といわれた。

通販で電光ピストルの注文

たむらしげるさんの銀河の魚をみて
コンピュターの世界にはいったという
スナフキンのような男の子が
うちのJUNちゃんに道案内されて
閉店間際に入ってきた。

夜WoWoWで今井美樹のコンサート。
身体が美しい音声楽器になっている。

4月30日(金)
世紀末最後の四月。

オオクワガタ盗難。
(黒いダイヤといわれているらしい)
被害総額800万。

アメリカで中学生学校爆破計画露呈。

最悪の失業率。

ユーゴ誤爆。

こんな日は空想雑貨はひまに決まっている。
売れるわけがない。

十年前なら宇宙少年ソランの車がウジャウジャしていた
と電話のむこうで声がした。

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