◆◆◆世紀末ガンタマ日記◆◆◆
過去の日記

過去の日記 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月

5月1日(土)
僕のいちばん好きな季節。
風かおる五月。

懐かしい博物館といったものが
全国的に誕生しているようだが、
私の意見は辛い。

洗濯機やラジオという家電製品から
オロナミンCの看板
駄菓子屋や玩具をならべても
残念ながら
もはや懐かしいとは言い難い。
これだけ情報がでてしまうと
とびっきりの懐かしさでない限り
まぁ素直には感動できない。
そして問題なのは個人的と名乗ろうが
博物館である限り
公共性をふくむという意識が希薄だという点。

消費される懐かしさはそこそこのものだ。
私が追求する懐かしさといえば
おいしくて深くてつまり老舗の味なのである。
自分たちの過ごした時代を
簡単に語らせるわけにはいかない。
なんでもかんでも詰め込んでいる結果
自信のない情熱のないありふれた
希薄な展示になってしまっている。

郷愁学のない限り
懐かしビジネスに参入しようとしても困る。
郷愁学のない
死の商人は満腹して破裂するべきだろう。

「郷愁」に関してはいつでも企画書をかきましょう。
私はそのつもりでいます。

5月2日(日)
おいしいものを飲んだり食べたりするには
苦労しなくちゃダメですよ。
(幻の名水探索人)

「お金は働けばたまるけど
ものはなくなったらおしまい」
といいながら
名古屋から来て
ポピーのキングザウルスシリーズの怪獣を2匹
買ってってくれたお客さんがいた。

しばらくぶりにフェリーの船長さんが
お土産をもって遊びに来てくれた。
去年は陸へ上がらせられていたそうな。
今年は今まで通り海の男に復帰したとのこと。
まぁ僕の長話を何年何回聞いてくれていることだろう。

編集者から金時山登山計画を持ちかけられる。
調べなくっちゃ、十川さんのためだもの!

「お店を作ろう」の内山さんへ初メール。
すぐに返事が返ってきた。
出来る人は返事の早さでわかる。

江戸っ子は
五月の鯉の吹き流し

コレクションをする行為は
実は今や幻の江戸っ子に近づきたいという
現れなのだよ。
(詳しくは◆◆◆◆◆骨董魔術論◆◆◆◆◆骨董魔術論参照)

江戸っ子も浅草っ子も絶滅してしまったけれど
今からでも
君がなればいいのさ。
任侠(ダンディズム)に満ちて
世界をあざ笑ってやりたまえ。
ギボン!

起業家がみんながみんなビル・ゲイツになろうとしたり
おもちゃマニアがみんながみんな北原照久になろうとするのは
世界を貧しくするだけだ。
リナックスだってあるじゃないか。
おもちゃマニアには
かって世間から時代遅れと見捨てられたブリキ玩具を
誰よりも早く面白いといった
感性があるじゃないか。
僕が十数年前店を始めたとき
リアリズム造形称賛の風潮の中
マルサン怪獣人形のデフォルメ造形を
やんちゃ造形と呼んで積極的に評価しはじめたとき
拍手を送ってくれた実績があるじゃないか。

米国の人も企業も、
金持ちになることに
重きを置きすぎている
(リナックスの開発者リーナス・トーバルズ)

卑怯者に禍あれ
愛好家に誇りと幸運を。
数に転落を
質に名誉を。
これが趣味の世界の
デファクト・スタンダード(事実上の世界標準)である。
わかったかね、
鑑定家諸君。

5月3日(月)
緑と金
(北原白秋が五月のことを歌った詩より)

いいバツターに巡り会えるビッチャーは
いいピツチャーになる。
(鉄腕稲尾投手)

予測し支配したいという
人間の願望を正当化する
「科学」
(デーヴィット・ピート/賢者の石)

心づけて見ねばこそあれ春の野の
芝生にまじる花のいろいろ
(茶湯の名人/武野紹鴎じょうおう)

マルサン製の怪獣人形ギャオスが
おもちゃ屋のガラスケースの中に
見えたので
おばちゃんと交渉して二十匹ほど分けてもらった。
他にもロボコンがあったりしたので
それも買った。
冷や汗が出た。
やっぱり夢だった。

暇つぶしにやってくる
御常連様がカウンターを不法占拠していたので
話せなかったけれど
浅草散歩 (Yahooのクールサイト)の小澤さんが来店してくれた。
こんどゆっくり、もんじゃでも。

5月4日(火)
雨でーす。

1980年代初頭のニューウェーブ・ミュージック・スター
ブロンディ
(マドンナよりデボラ・ハリーだもんね)
のビデオクリップを流したら
突然
ブラッドベリがお好きなんですか?
女性客から聞かれた。
彼女はガンタマを買ってくれた。

オーロラは
動物をたくさん引き寄せてくれる。
(アラスカ地方の狩人)

星ではなかったが
星座だった。

星座ではなかったが
強力な星であったもの。
TREXのマーク・ボラン
ブロンディのデボラ・ハリー
ダダイズムのトリスタン・ツアラ
薔薇魔術学説に集まった詩人たち
とくに北園克衛
雑誌新青年に参加した作家
稲垣足穂………。

孤立した星を新しい星座に組み込むのが
見立て
というものだ。

HP浅草散歩の小澤さんが
「吉原から空想へ」という一文を書いてくれた。
今日一日
僕は星ではなく
星座である。

5月5日(水)
こどもの日。
僕の本ガンタマの発行日は
たしか五月五日。

妹のウインドゥズ98で遊ぶ。
契約プロバイダー変更の手続きや
out lookの設定をした。
わかっているはずなのに
少し手間取った。

金太郎にちなんだ行事が行われている。
箱根金時神社。
行かなくっちゃ。

あらゆる生物の中で
いちばん弱いくせに
いちばんたくさん同種を
それに他の生物を
殺す点で
人類という種は
記憶されつづけるだろう。
ライオンはカニを殺さないだろうし
川の流れを変えないだろう。

三日徹夜をして
やっと個展に納品まにあった
といって
小林ペッケン健二が
美術手帳編集長の伊藤さんと一緒に
やって来たので
いい天気だったので
ペッケンバゥアー大好きサッカー少年の
ペッケン氏と
店の前で軽くボール遊びをした。

5月6日(木)
せっかく来たのにな。
そんなことを何度も言う客が朝から来た。
ちょうど常連客がいて
常連氏は駄もののおまけとめんこを買ってくれた。
しめて三千九百円。
せっかく男の真意は安いものはないのか
ということのようだ。
昔だったら僕はきっと何かいったと思うが
なにも言わなかった。

最初から古く見せたレンガがある。
(深谷市のレンガ製作所)

本物を見失わなければ……
怪獣マニアは
怪獣トントンゲームのカードを二枚買ったあと
そういってオートバイで去っていった。

船造りは
ロマンですよ
ハートですよ
(造船技術者)

紅茶やの熊崎君のお店が
今日からプレオープン。
なにをお祝いに持っていこうかな。

5月7日(金)
マスコミにコレクターの載らない日はない。
今日の読売朝刊は携帯電話コレクターだった。

アメリカのスミソニアン協会
(自然史博物館、アポロ宇宙船などの航空宇宙博物館など
16の展示施設と研究所をもつ世界最大の学術文化機関)
が過去おこなってきた有力展示。
スターウォーズ展
ベーブ・ルースのホームランボール展
リンカーン大統領の暗殺時の帽子展
就任式の歴代ファーストレディの衣装展

スミソニアン協会長官によれば
心がけているのは、「物質の物語性」。
ものの歴史、背景をそえて
観衆に考える材料を提供すること
という。

5月8日(土)
ケンタウルス座の方向に巨大リングのある銀河。
まるで宇宙の十字架。
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」にも
確か星の十字架が現れたはず。

地方の店から
プラモデルの値段の問い合わせ。
僕ならひとめいくらだね、
あとはそちらの状況に合わせて
調整して下さい
という言い方をする。
あくまで僕の値段の付け方
をしゃべる。

荷が届いたので
カウンターの中で
整理をしていたら
たちまち机の上がいっぱいになってしまった。
面白かったものは
バンビの絵のついたパウダーかな。
たちまち雑貨の山が出来た。

5月9日(日)
リナックスの開発者の話じゃないけど
インターネットの電子商店主も
どうも走る方向が儲け一直線で一様で
面白くない。
商品が実はありふれたものなのに
外側のWEB作りや親父のパツションだけでは
いつまでも持たないだろうよ。

趣味でやってて儲けは二の次商店
商売下手でもお客大好き商店
こだわりすぎて赤字だけどやってるもんね商店
ヘソマガリイジッパリ商店

こんな夢のある商店をたくさんみたいのだ、僕は。
大きく動かすだけが商売じゃないし成功じゃないよ。
こんな電子商店はないのかな。
こんな店とこんな途方もない店主に繁盛して欲しいな。
まぁいいさ
なければないで
僕がやる。
趣味でやってて儲けはぼちぼち電子商店「空想雑貨」。
空想本店もよろしくごひいきに。

娘を肩車した若いパパが入ってきた。

夜セリエAのサッカー中継までの空き時間に
桑田忠親さんの名著
「茶の心」をまたぶらぶら読み耽る。
釜一つもてば茶の湯はたるものを
よろずの道具好むはかなさ
利休の歌だ。
なんとシンプルで
テンセグリティな構造であることか。
最小且つ最大。
これがまさしく美の構造。
チャンチャン。

5月10日(月)
朝、鉄人28号のミニソフビを梱包。
小さいから楽だ。

出版不況の中で
農文協のようなしっかりした出版社が
前年比二桁アップの売り上げというのは
喜ばしい。

「儲ける」は信じる者と書く。
なにを信じるのか
それが問題だと思うよ。

堀井ちゃんがイラストを見せにやって来た。
最初に彼が空想へ来たとき
彼はまだ高校生だった。

5月11日(火)
今日は建築家で書家のモンマ君と一緒に外出。
浅草でうまくて安いカルビ定食。
浅草から都営地下鉄で三田まで。
熊崎くんの紅茶やへ遊びに行く。
時間が止まっている店だ。
BGMはクラシック音楽のみ。
隠れ家のようなあたたかさの店だ。
晩秋のお茶。(アッサム茶)
モンマ君に言わせると
レンガの建物の味。
もしくは
秋の三時二十分の味
だそうだ。
早春のいこい
と彼が名づけているお茶がでた。
僕には海の貝殻の匂いがした。

今年の冬に熊崎くんの待望のサロン計画が実現する。
インターネットライブがみられるかも知れない。
出版計画もある。
まだ話せないけど楽しみだ。
僕も参加する。
ふふふ。

田町から原宿まで電車で移動。
表参道を歩いて
小林健二展を覗く。
ギャラリーの奥の応接室の椅子に腰掛けていると
そう、ここでも時間が止まっている。

入谷の駅でモンマ君と別れる。
帰ってきたらお客さんからメールが入っていた。

僕はマニアじゃないけれど
思い出コレクターです。
沢山持ってます。

今日はとてもいい日だ。

5月12日(水)
実行が伴わないと不調になる。
つまりそういうことさ。

シンプルにシンプルに作ってみた。
来月の模型雑誌の広告を。
空想さんという言い方が最近の定番。
気持ちよくいえると
上空に青空が広がったようだ。

人形読本
という昭和八年に雄山閣よりでた本を入手。
寄贈山田徳兵衛(玩具組合長)
になっていた。

中でもとくに日本人形史
は教えられるところが多かった。
野見宿禰(のみのすくね)の埴輪
傀儡子(くぐつし)と語源葛の蔓など。

別け登る麓の道は多けれど
同じ高嶺に月を見る哉

紀伊国屋書店の通販で
僕の本が全部手に入るみたい。

検索エンジンNETPLAZAで
おもちゃの項目で
とりあえず1位。

5月13日(木)
朝からおこづかい通販のレイアウトを少し変更していた。
文章も少し足した。
昔のものは一点ものが普通なのだけれど
空想の場合は数を持ってる場合が多い。
一つしかないからといって
あせらせてあおって
買わせるのが定法だけれど、
空想はちょっと違うのだ。
定番商品をそろえてきらさないようにしている。
このことをつけ足した。
わかってもらえただろうか?

どんなに頑張っていても
家族のことや
職場のことで
お店を始められない場合がある。
でもお店を開いたら
僕が遊びにふらっと行ける店にしといてね。
キントト文庫もいよいよ来週から
古本の聖地神田神保町でスタートをきる。

モダンや晋ちゃんこと塩谷君の古物屋も
準備は怠りないようだ。
昼過ぎ彼から冷酒の詰め合わせと(Junchanが好き)
遊星少年パピィーの運動靴が届いた。
さんきゅーべりーまっち。

お店はサロンだからね。
インターネットの電子商店も
やはりネット・サロンだから。
サロンには
消費できない夢と
復刻できない郷愁が飛び交うのです。

真夏日らしい。
バキシム
それからオバQの貯金箱を
発送をしようとして
すこし休憩。
明日だ!

5月14日(金)
朝起きて三社祭の提灯を
店の前に飾った。

浅草の人も東京の人も忘れてしまっているけれど
浅草が生まれたのは
江戸時代ではなくて
聖徳太子の時代(推古天皇)
つまり飛鳥時代だってこと。
そう、京都より古い!

江戸の空には三社祭が似合う。
江戸ぶり、辰巳のおとこ意気には
五月の透き通った空が
よく似合う。
金太郎を用意し
祭りを用意した
坂東(東京)の美学には頭が下がる。

下谷根岸に生まれ育った
日本文化学者九鬼周造は
われわれの理想主義的非現実的文化
と「いき」のことを歌い、
「意気地」の自由に生きるのが「いき」である。
こんなふうにも定義している。

どうやら
笛や太鼓の音が聞こえてきた。
町中がそわそわし始める……

5月15日(土)
本屋さんの美術書のコーナーが
すっかすかのはずである。
なぜなら
リブロポート、トレヴィル(悲しいなぁ)
に続いて
光琳社が亡くなったから。
古本屋でしか会えなくなってしまった。

書き忘れていたこと。
絵画のオークションの最高落札価格記録。
第1位
1990年大昭和製紙の斉藤了英名誉会長(故人)
約百二十四億円
ゴッホの「医師ガシェの肖像」

第2位
同氏
約百億円
ルノワールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」

購入後の彼の人生と作品の行方は
新聞などでご存じの方も多いだろう。
骨董に興味のある方は研究して下さい。

晴れるかな三社祭

5月16日(日)
朝っぱらから
外が騒がしい。
宮出しにいく様子だ。

曇りそして肌寒い。
雨が降らなきゃいいけど。

店がはねたらすぐ紅茶やの熊崎君のパーティ。
でもゆっくりしてるわけには行かない
11時から中田ペルージャのライブ観戦だ。

売れるときは売れるんだよなぁ〜
骨董屋はほんと予測の出来ない
不可解な商売。
何年やっててもそう思う。

5月17日(月)
昨日の夜
紅茶や「イエスハウス」のパーティで
慶応大の巽さんと
ファンタジー評論家の小谷さんと会う。
巽さんからは九鬼周造と
なんと佐藤春夫の風流談義を聞く。

祭りが終わっても
三社祭りの提灯が町内の軒先にぶら下がっている。

おもちゃの研究をはじめて
からくりにやっとたどりついたら
まわりの景色が一変して
日本文化の水脈にぶち当たった感じがする。
江戸はもちろん中世も神話時代もある。
民俗学どころか
すでに伝奇小説も含まれている。

「おもちゃ」から「からくり」へという過程で
たぶん僕は日本という深山のいわば幻の滝を
お見せできると思う。
二三年中に色々な形で発表していきます。

先日土曜のテレビBS俳句会で
「坂本九の月」と歌った句があったけど
坂本九の月っていったいどんな月なのだろう。
「上を向いて歩こう」の歌に
あわせただけなのかも知れないが
それが引っかかって。

凪(なぎ)のようだ。
時間が止まって
人声が消えて
ものだけが確かにある。
骨董屋の月曜日の平凡な夕方。

5月18日(火)
今週のおもちゃ格言
というコーナーを造った。
同時におすすめ品も何点か載せることにした。
つまり毎週更新することになった。
墓穴を掘っているような気もするが。
以前から商品はどのくらいの期間で変更するのですか?
そんな質問もあったので。

情熱を見せ
情熱で圧倒するしかない時もある。
やってやろうじゃないの!

朝からパソコンをいじっていて
まだなにも食べていない。
角萬で冷や肉(鴨南そば)にしよう。

「めざせ!!サイバショップオーナー」
(佐藤尚規・IDGコミュニケーションズ)
を秋葉原の書泉ブックタワーで買って
ポストイットのふせんもついでに買って
神田須田町交差点角の
フレッシュネスバーガーの二階ですぐ読む。
ここはjunchanのお気に入りで
トロピカルなコーヒーハウスなのです。
冷房なんてないよ。
窓はお空に向けて開けっ放し。

本を読んで更にやる気になったので
うちに帰ってすぐにHPの気になっていた箇所を
思い切って変更した。

5月19日(水)
読売の石田さんが昨日の夕刊で
横山光輝にインタビューしていた。

鉄人28号のモチーフが
故郷神戸を襲撃し廃墟化した
爆撃機B29にあったのは有名な話だ。

石田さん僕をほっぽっといて
横山さんの本作らないでよ。

S嬢からメールが入っていた。
ディスクトップ型のパソコンを買ったらしい。
さて彼女の吉凶は?
大吉に決まっている。

雨とパソコン疲労で肩こりのせいか
奥歯が痛い

半年たったのかな。
HPもやっと僕の温度になってきた。
誰とも違う。

今日は
風流志道軒(平賀源内)のように
浮世三分五厘で生きようか。

5月20日(木)
歯痛で夜中に飛び起きる。
医者からもらった薬を飲むが効かない。
気分転換に
上田君のHPの新作部分を見る。
野生のオルカ(シャチ)の写真。
シンプルに生きているものは
美しい。

歯痛に加え
天気が良すぎるので
僕の持病の頭痛も加わって
最悪の一日。

5月21日(金)
たむらしげるさんからメールが入っていた。
朦朧体カネゴンの感想。
面白く読んでもらえたようだ。

静岡ホビーショーへ出かける。
プラモデル業界の見本市だ。
今回はお呼ばれされて行くことになった。

イマイの新製品
鉄人28号の電動歩行モデルを見る。
モーターギミック付のものだ。
意見を聞かれたので
後ろ向きの企業は滅びる
そうコメントをしておいた。

ブルマァク社について裏付けが取れた。
これが今回の思わぬ収穫。
マルサンとブルマァクでは
企業理念も経営体制もあきらかに違う。
しょうもないマルサン情報を流されては
マルサンの名が汚れる。
現時点でマルサンを生きてきた男
と名乗る男は
マルサンを殺した男だ。
今の行動はどうみても
マルサンを殺している。

マルサンイズムがなければ
マルサンとはいえない。
僕は親父の生き方、情熱が好きだ。
(ホビージャパン誌の空想の広告より)

ブルマァクについては
玩具史的評価をきちんと下して
引導を渡してやる。

いつはりのなき世なりけり神無月
誰がまことより時雨そめけん
(藤原定家)

十年を過ぎずして茶の本道すたるべし。
すたる時、
世間にはかえって茶湯繁昌と思うべき也。
ことごとく世俗の遊びごとになりて、
浅ましきなれの果て、
今見るが如し。
悲しいかな。
(利休)

5月22日(土)

江戸前くんがまんがをもってきた。

木曜日におもちゃのことで
相談に来た女の子のことを
思い出した。
好きにやってね。
ちゃきちゃきにおやんなさい。
僕からのアドバイスをした。

キャラクターに頼りっきりだと
おもちゃは面白くない。
昔の怪獣のおもちゃが良かったとすれば
テレビや映画よりも
おもちゃの方が面白かったせいだ。
谷岡ヤスジさんに
おもちゃのガキ夫人形の出来を誉めたら
「あのねぇ、カミヤ。
おもちゃより俺のまんがの方が
良いに決まってるじゃないの!」
と一喝されたことがある。

70年代のヒーローものや
現代のフィギュアがつまらない理由。
原作依存症。
「キャラクター依存症!」。
つまり原作より面白いおもちゃじゃないと
面白くない。

今の茶人は
茶道の字を盗む
大罪人なり。
(松平不昧)

恒産なき者は恒心なし
または
恒心なき者は恒産なし。
古人はよく言ったものである。

この半年間僕はクリティカル・パスを
机の傍らに置いて広辞苑のようにめくることにしている。
バック・ミンスター・フラーを研究しない者は
幾何学者とはいえない。
遊星と共に歩む者には
必携の考えさせるガイドブックなのだ。

5月23日(日)
ニューヨークのハガネ嬢からメールが届いていた。
僕は彼女から「ネイテブアサクサン」と呼ばれてしまった。
〜民俗学って「習う」ものじゃない気がする。〜
〜おもちゃって民俗学なんじゃんと私は勝手に思ってます。〜
こんなに良くできた19才の女の子がいるのだから
世界は明らかにまだ生命力を残しているようだ。
五月の晴れ渡った朝のようなメールだった。

骨董屋は
価格の正義をふりまわすような
儒者ではなく
混沌に正札をつけて売る
タオイストである。

私はおもちゃと宇宙を切り離して考えてはいない。
私の語るおもちゃは
つまりクリティカル・パスとしてのおもちゃである。

お客さんから
クジラのひげをいただいた。
江戸時代のからくり人形の動力となった
超ゼンマイである。
見た目はプラスチックの板のよう。

ペコちゃんが愛される造形上の秘訣をなにか一つあげて下さい。
(おもちゃ鑑定士養成講座の追加問題)

5月24日(月)
就職活動に関連して
メールをもらったり
訪問してくれる女の子が現れた。
空想雑貨としてはとてもうれしいが
個人商店で
大規模をめざさず
味を守るコンセプトの
なんとか意地でやっているだけの
想像力しかないお店としては
お断りした。

ずっと興味をもっててくれるのなら
パーティに呼んであげよう。

午後一で三十分ほどの取材。
東京のマニアショップガイドだ。
駆け足であった。

ポストマン堀井君が来た。
小林さんの個展を見てきたという。
画集を見せてあげた。

郷愁の正体に関して
なにかとても良いことを言われたのだが
僕自身の感応機に問題があって
言葉にすることがままならない。

5月25日 (火)
今日の予定。
だらだらした時間を過ごさないこと。

たぶんHP更新。
たぶんキントト文庫(お茶の水)開店祝い。
たぶんおもちゃと古典の研究。
たぶん「聖徳太子の誕生」(大山誠一著・吉川弘文館)購入。
たぶん明日の準備。
たぶん今日はいい日。

5月26日(水)
またおもちゃの夢を見た

久しぶりの八ヶ岳。
懸案だった「岡倉天心のブロンズ像」を
伊東近代美術館に見に行く。
平櫛田中のブロンズ像は
八ヶ岳の空気の中で
生きているように思えた。
納得した。

おっこと亭で蕎麦を食べたり
滝を見に出かけ歩いた。
清泉寮の裏手にある滝は
滝の幅といい
水量といい
あたりの地形といい
すばらしい場所だった。
苔むした巨石が積まれ
古代の祭祀場のようだった。
また来よう。
人気観光スポットのすぐ裏手に
こんな神々しい場があるなんて。

ある場所で
金色に着色されているような松を見た。

クアハウスに入って
十時頃東京に帰って
一眠りして
朝方ヨーロッパ・チャンピオンズリーグ決勝を見た。
僕は天才ドリブラー、ジョージ・ベスト以来の
マンチェスター・ユナイテッド・ファンだ。

5月27日(木)
奇跡というものはおこるものだと
世界中のサッカーファンが確認したことだろう。
マンUの奇跡の勝利。
ロスタイムで2点とり大逆転勝利。

下谷・浅草町名由来考(台東区)
江戸浅草町名の研究(小森隆吉・叢文社)
浅草 ラビリンス(ポチ著)
隅田川(朝日新聞社編)
このような書物は僕のおもちゃ民俗学の研究に欠かせない。
入手は全部キントト文庫。
キントトから金太郎のゲームをもらった。

5月28日(金)
昨日はまるでハリケーンの眼の中にいるようで
蒸し暑くてすごい強風で
竜巻が起こらなかったのが
不思議なくらいの気象だった。
看板も人形も一度も外へ出せなかった。

若い子がタイガーマスクのケシゴムをまとめて買ってくれた。

おもちゃの世界が急にどうにかなったという話は
今日はまだ聞いていない。

のんびり生きていると
梅雨に入ってしまう。
あぶないあぶない!

十人中八人は
空想の商売のやり方をみていない。
古モノの商売は
下手に売れば売るほど
儲けようとすれば
いくらでも儲けられるために
売り手をダメにする。
何人も見てきた。
古モノの商売は
田畑をもっているか
自制心を強烈にもっているか
でないと引きずり込まれる。
素人では通用しないことを
知るべきだろう。
店屋をはじめる前に。
関係者になる前に。
多くのマニアが冗談ではすまされなくなってしまった。

さてグランドキングが相場が
三万から五万だと聞いたので
僕は1万円で売りに出そうと思う。
もちろん儲けは十分にある。
と、いうことだ!
ギボン!

5月29日(土)
神戸の恐竜造形家米田氏から
昨日の夕方TELがあった。
「ウルトラマン半魚人説」をたっぷり聞かされた。
さすが鬼才だけのことはあるので
そのうち形にしよう。
対談にしようかな?

自分の店の倉庫を整理していたら
こぶたのドラマーが出てきた。
オールプラスチック製なので
すこぶるモダンなのだ。
カウンターの上に置いて
ときどきネジを巻いて
動かしてみる。
首を左右斜めにかしげて
蝶ネクタイにカンカン帽というこのぶたさんは
そこそこ動き出す。

「角」は創造性を表す駒である。
今期の将棋名人戦では
角が泣いている。
いや、角が死んでいる。
将棋研究家の友人と話し合った。

インターネットを見て買い物に来てくれたお客さんがいた。
ひょうたん島とソランのカルタが売れた。
インターネット経由の来店客が増えてきた。

5月30日(日)
検索エンジンinfoseekで
谷岡ヤスジでサーチしてみたら
空想雑貨がトップにきていた。
気分がいいもんね、ひどく!
谷岡さんは空想雑貨の特別顧問だもんね。
そろそろおじゃましないと。

とても気持ちよさそーな一日っ!

ん、谷岡ヤスジを知らない?
クソしてねろ!おんどりゃぁー!
ガンタマー!

創造性の追求の場でした。
(偉大なサッカー選手/ファンタジスト、ロベルト・バッジオ)

「ワイン通御用達ネットワイン通販」の
小仲律子さんからお返事メールをいただいた。
いい気分である。

魔術論を読んでくれたお客さんから感想メールをいただいた。
作者として、泣けた!

ジャイアント・ツインテールが売れた。
これで今月は売り上げなんとかなった。
ふうー!

ベテラン・ブルマァク氏が来た。
話し込む。
若くして交通事故で死んだ西脇君の話が出た。
西脇が生きていたら
(たしか三十一歳になるだろう)
僕と一緒におもちゃの世界を変えようとしただろう。
西脇が生きていたら
今のおもちゃ業界をどういうだろう。
西脇が生きていたら……
僕は西脇の名刺をまだ持っている。

とてもいい一日!

5月31日(月)
世紀末の五月も今日で終わり。
梅雨だぁ。

俳句会やろうかな。ぽつり。

会いたい人が増えてきた。
本の話しも進めないといけないな。
今日は電話かけまくりとメールびしばしの日。
ガンタマー!
と自分に活を入れるのであった。

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